韓国経済教育学会 金景模会長 と 水野勝之会長 の対談

 2023年2月1日、本学会 水野勝之会長 が韓国(ソウル)を訪問し、韓国経済教育学の 金景模会長 と対談しました。  対談の場所は、ソウル駅のKTX7会議室でした。

金景模会長との対談

水野会長から金会長へのインタビュー

Q1 金会長が会長として目指したこととその結果について教えてください。
 韓国経済教育学会会長の任期は、2年です。私の任期は2021年3月1日から2023年2月28日までです。目標は2つでした。
 一つは、2021年に行われた韓国国家レベルの教育課程で、市民教育として経済教育を強化し、金融教育の比重を高めようとしたことです。
 経済学の基本概念と理論を強調する経済学教育として経済教育に対する代案で市民教育の経済教育の模型を準備しました。しかし、実際の教育課程に反映するには困難がありました。
 それでも金融教育の強化目標は「経済生活と金融」という独立科目の開設を通じてある程度達成したと考えています。もう 1 つは、経済教育研究の次世代を育てることでした。2022年に経済教育論文賞を制定して受賞者を選定しました。
 そのうち大賞を受賞した研究チームの研究結果を今回の学術大会で発表させる予定です。論文賞公募が初めて行われてなので期待していたほど研究者が応募しなかったが、経済教育研究の次世代養成の第一歩であると思います。

Q2 日本の経済教育学会とのこれまでの経緯を教えてください。
 学会対学会として日本経済教育学会と韓国経済教育学会の交流は、2017年に両学会の間で締結された協定以降です。日本側からは山岡、浅野、山根、新井先生などが韓国経済教育学会が創立された1994年以降、韓国経済教育学会に出席し学術交流が行われたことがあります。
 研究テーマはeconomic and financial literacyの国際比較研究でした。これらの研究チームは、韓国のソウルと晋州で開かれた韓国経済教育学会の学術大会に出席します。韓国側は、キム·ギョンモ、ハン·ギョンドン、チャン·ギョンホなどを中心に2007年に福岡教育大学で開かれた日本経済教育学会の全国大会への参加を皮切りに、現在まで交流が続いています。 2017年協定締結の前は、韓国側の研究者は個人資格で日本経済教育学会の分科会アジア太平洋の経済教育において学術的交流を行ってきました。 それが2017年以降、協定に基づき学会大学として学術交流が行われており、大阪教育と慶尚大学の共同シンポジウムと明治大学の基調講演の試みなど今後両学会の共同学術交流の試金石になったと思います。

Q3 日本の経済教育学会への要望は何ですか。
 韓日経済教育学会で交流を持続させるために意図的な努力が必要だと思います。定期的な研究者の交流はもちろん、具体的な共同テーマを中心とした共同研究と本の執筆がその例になりそうです。両学会理事会の共同参加なども一例になりそうです。

Q4 日本の経済教育学会の会員に対して一言お願いします。
 韓国の経済教育はもちろん、韓国に対するより多くの関心をお願いします。

Q5 今後の中国の経済教育関連学会との関係どうなりますか。
 中国は、個別の研究領域として経済教育を確認するのは難しい。 韓国経済教育学会は、中国のハルビン工科大学深センデンキャンパスにいるカン·ジヘ教授を主軸に、中国の経済教育ネットワークを拡大するための努力をする計画があります。

Q6 両学会の研究報告の大会を共同で行えなえませんかか。
 韓国(2月経済学共同学術大会、8月の学術大会)と日本(3月の春季研究集会、10月の全国報告大会)の行事日程が異なり、多少の困難があります。 しかし、合意が得られれば、一定の周期で韓国と日本で共同のテーマを中心に共同学術大会が可能だと思います。

Q7 その他何かありましたらお願いします。
 両学会の持続的な学術交流は、関心のある研究者の意図的な関心と努力が必要だと思います。ですから学術大会以外に、両学会の人的交流が持続的に行われるといいと思います。最近、韓国経済教育学会は40代の若い研究者の入会されるようになりました。 彼らに肯定的な誘因を提供する必要があります。

本学会水野学会長より

 金会長、2年間学会長ご苦労様でした。日本の経済教育学会全国大会ではシンポジウムのパネラーを務めていただくなど、日韓の経済教育学会交流にたいへんご尽力いただきました。退任後はおくつろぎいただきたかったのですが、金会長は勤務先の慶尚大学校教育学部で学部長になられたそうです。
 また、来年度の韓国経済学会30周年記念大会の委員長も務め、2月に退任されてもますますお忙しくなられるようです。
 この会談で、今後も両学会が協力し合い、両国の経済教育を一層盛り立てていくことが約束されました。

enter image description here