経済教育学会 第39回全国大会

 2023年9月30日(土曜)~10月1日(日曜)

 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC) エポック立命21 *地図

「変化する世界へ向けた経済教育」

 コロナ禍で分断される社会、ウクライナ危機とエネルギー問題、世界的に加速するインフレ、そして円安…。私たちは今、予測もしなかったような出来事が生じ、それによって大きく変化させられる社会経済を生きています。また、人工知能など、著しい技術革新は、産業構造や労働のあり方をも大きく変革しようとしています。
 そのような中にあって、経済教育の果たす役割とは何でしょうか。本大会では、変化する世界の動態を踏まえた経済教育と人材育成の在り方について、国際的、地域横断的に、また初等中等教育、高等教育の総合的な観点から再考します。「立命館」とは、『孟子』の尽心章句に由来し、「学問を通じて、自らの人生を切り拓く修養の場」を意味します(立命館大学H P「立命館名称の由来」)。激動する現代社会の中で、学生が自らの人生を切り拓く力を育む経済教育とはどうあるべきか、考え、議論する機会を提供できれば幸いです。  企画シンポジウムでは、「経済教育におけるクリエイティビティー」と題して、既存の枠組みにとらわれず、変化する社会を見据えた創造的な経済教育の方向性について、議論を深める予定です。
 尚、2023年度全国大会は、オンライン特別セッションを除き、原則として対面開催となります。コロナの3年間で、画面越しでの会議や研究会に慣れてしまった私たちですが、実行委員会では、会員同士が直接顔を突き合わせて議論し、交流する機会を持つことの重要性に鑑み、対面開催としました。京都・滋賀観光を兼ねて、積極的にご参加いただきますようお願いいたします。

経済教育学会第39回全国大会実行委員会

第39回全国大会プログラム

第39回全国大会ポスター

第39回全国大会報告要旨集(前編)

第39回全国大会報告要旨集(後編)

立命館大学びわこ・くさつキャンパス会場案内

全国大会に参加するには、参加申し込みが必要です。
下記フォームより2023年9月8日(金)までにお申し込みください。
全国大会参加申込みフォーム

シンポジウムと特別論題分科会について

シンポジウム:「経済教育におけるクリエイティビティー」

 大会テーマ「変化する世界へ向けた経済教育」を踏まえ、様々な現代的課題に対し、既存の枠組みにとらわれない経済教育のあり方について、初等・中等・高等教育において、創造的な教育実践を行っている先生方をパネラーとしてお迎えし、議論を深めていただきます。
 市野泰和先生(立命館大学)には、授業中は講義、授業後に課題、という伝統的なやり方を「反転」させ、授業前に動画を視聴し、授業中にクラスメートと話し合いながら課題に取り組む「反転授業」の実践について、その楽しみや喜び、効果をご発表いただきます。
 西尾圭一郎先生(大阪公立大学)には、「人生100年時代」においてますます重要となる、経済学を専門としない人たちを対象とした金融リテラシー教育について、実務家との連携やデジタル時代を見据えた教育のあり方、小学校における金融教育について、様々な視点からご発表いただきます。
 すぐに使える「授業のネタ」シリーズとして、数多くの著作をご執筆されている河原和之先生(大学非常勤、元中学教諭、授業のネタ研究会理事)には、近年の国際秩序において注目を集める「グローバルサウス」の境界線を溶かす国際協力の事例を取り上げた中学生向け授業について、ご発表をいただきます。

各企画分科会の趣旨

1) 「オルタナティブ経済学入門教育と教材開発」分科会

 経済学研究においては、いわゆる新古典派経済学のみならず、ケインズ経済学、マルクス経済学、進化経済学、制度経済学などの諸潮流が存在します。こうした学術的多様性は、異なる視点からの検証や相互批判によって、経済学を深化させ、発展させるために不可欠です。近年は、オルタナティブな経済教育や教材開発が、日本でも活発に行われており、いわゆるミクロ・マクロ経済学についていけなかったり、飽きたらなかったりする学生たちの好奇心や知識欲を刺激する充実した内容の教材が開発されてきています。本分科会では、こうした背景を踏まえ、経済学の入門教育と教材開発の方向性について、様々な立場の論者からの研究発表と議論を行います。

2) 「金融リテラシーの現在」分科会

 金融教育が注目を集める昨今、金融リテラシーの調査研究は幅を広げてOECDが提示する金融リテラシー研究に関する基本的枠組み(知識、態度、行動)までも射程に入れて検討する必要があります。本セッションは、こうした問題意識から企画しました。各世代はそれぞれが金融に関わる特有の課題に直面しています。そこで提案者の研究グループはまず、若年者層のうち特に20歳代の若者の金融リテラシーと奨学金返還の問題などについての調査研究を実施しました。次に、幼児についても発達段階を考慮しつつ、金融経済認知について実験的な調査を行いました。また、国際比較調査やマクロ経済レベルの金融リテラシーについても興味を持っています。これらの報告や話題提供を糸口に、参加者と金融リテラシーの現在について幅広く討論できることを期待しています。

3) 「経済経営教育と英語教育の融合:その実践と課題」分科会

 ビジネスや経済活動におけるグローバル化が進展する今日、経済・経営系の大学・大学院における英語教育の重要性が高まっていることは、疑いの余地がありません。一方で、日本人の英語力はOECD諸国の中で最底辺に属するという残念な事実もあり、経済や経営の知識や技能に加えて、いかに効果的に学生の実践的な英語力・国際コミュニケーション力を上げていくかは、喫茶の課題であるといえます。本分科会では、大学・大学院の経済・経営科目において英語教育・国際化教育を実践されてきた先生方に、その方法や効果、課題についてご発表いただきます。

4) 「「経済教育における探究型学習と高大接続」 分科会

 文部科学省の方針により、2022年度より高等学校において、学生・生徒の主体的な問題設定と調査探究、発表を実施させる探究型学習が開始されました。探究型学習は、刻々と変化し、不確実性の高い今日の社会において、重要となる学びのあり方であると言えます。また、高等学校における探究型学習の経験が、大学の少人数ゼミナール等においても継続されることで、多大な教育効果が期待されます。高等学校における社会科教育、大学における経済教育において、学生・生徒の主体的な意欲や問いを引き出し、効果的な探究型学習を実施するには、どのような教育手法や工夫が必要でしょうか。本分科会では、高等学校、大学における探究型学習と高校と大学が接続し、連動した教育のあり方について、発表と議論をおこないます。

《問い合わせ先》
経済教育学会 第39回全国大会実行委員会(委員長 徳丸夏歌)